寝返りもできない

エゼ4:8「見よ。わたしはあなたになわをかけ、あなたの包囲の期間が終わるまで寝返りができないようにする」
牛は草食動物のため、糞の匂いが人糞ほどひどくありません。中国の田舎では牛糞を燃料として調理する例もあります。とにかく、人糞を燃やすならその異様な匂いで、近隣の人は何事かと集まってくるでしょう。主のご計画の狙いもそこにあったのかもしれません。しかも、エゼキエルは同じ方向に向いて寝ることしかできず、縄がかけられていたため寝返りもできない状態でした。エゼキエルはイスラエルのために390日、ユダのために40日を同じ方向を向いて寝るように命じられ、それらの日数はそれぞれの国の咎を表わすと言われます(5,6節)。しかも、1日を1年に換算したとされ、イスラエルの咎の方がユダより10倍近くあることがわかります(6)。エゼキエルのこの行為が人から注目を浴びたことは理解できますが、果たして主のメッセージは人々に伝わったのでしょうか?これだけ預言者が奇妙な行動をしているにもかかわらず、主の民の心はかなくなで主に立ち返ることはありませんでした。それでもエゼキエルは主の言葉を伝え続けなければなりません。イザヤも腰布をとり、裸足で過ごさなければならない時期がありました(イザ20章)。バビロン捕囚の時代の預言者は、その罪深さを知らせるためにとんでもない預言のスタイルをさせられました。