ヒゼキヤの脱走

エゼ12:12「彼らのうちにいる君主は、暗いうちに荷物を背負って出て行く。出て行けるように壁に穴があけられる。彼は顔をおおうであろう。彼は自分の目でその地をもう見ないからである」
君主とはヒゼキヤ王で、バビロニアのネブカデネザル王の時代に捕囚にあったことを指しています。この様子は列王記の中で詳しく書かれています。「そのとき、町が破られ、戦士たちはみな夜のうちに、王の園のほとりにある二重の城壁の間の門の道から町を出た(2王25:4)」とあり、夜のうちに王たちは町を出ようとしました。これはもともと飢きんが町に起こり、カルデヤ人町を囲まれ反撃のチャンスはないと判断した王が逃げ出したことによります。ヒゼキヤは包囲されている間にも、エジプトに援軍を依頼しており、飢きんがなければそのままエジプト軍を待つつもりだったはずです。しかし、主のご計画は容赦なく実行されました。このときにエゼキエルが主から命じられ、夜に荷物を持って壁に穴をあけて逃げる様子をデモンストレーションして見せたのです(7)。このデモンストレーションは結局、王や民に伝わらず、ヒゼキヤ王はすぐに捕らえられ、子供たちを虐殺され、目をえぐられ、足かせをつけられ連行されていきました(2王25:6-7)。主はこのような試練の中でもわずかな人たちが、剣や飢きんから救い出されると言われました(16)。おそらく主に従う者たちが民の中に残されていたのだと思います。