クシュ人ゼラフの攻撃

2歴14:9「時がたって、クシュ人ゼラフが、百万の軍勢と三百台の戦車を率いて、彼らに向かって出陣し、マレシャにまで寄せて来た」
100万の兵と言えば、現代でもものすごい数の軍勢です。そもそも、軍役に携わる人口比は1~5%がいいところで、100万人が軍役に参加しているならクシュの人口は1億人を超える計算になります。しかし、当時1億を超える国はどこにもなく、おそらく成人で兵士として使えるほとんどが徴兵されてユダ攻略にあたったのだと思われます。それほど、ソロモン時代の繁栄は有名で、ユダ王国には多くの黄金があると近隣諸国は狙っていたのです。世代が代わり、新しい王になったときが攻略のチャンスです。クシュはエチオビアともいわれていますが、もしそうなら、ソロモン時代から友好関係にあったクシュとの関係は崩れてしまいます。ゼラフが友好関係を捨ててまで欲しがったユダ王国の金銀は、アサ王の信仰とともに守られました。アサ王が主に拠り頼ったからです。逆にゼラフは攻略につぎ込んだ100万の兵のほとんどを失ってしまいます(13)。町は略奪され、奪おうと思っていたユダの財宝は奪えず、多くの分捕り物が奪われてしまいました。欲にかられ、新王になったと相手の弱点を突いたつもりでしたが、唯一の誤算はアサ王が主に拠り頼っていたことを見抜けなかったことでしょう。ユダ王国には絶対なる神、主が共におられることを見くびったゼラフは大きな代償を払うことになりました。