ネヘミヤとモルデカイ

ネヘ7:7「ゼルバベルといっしょに帰って来た者は、ヨシュア、ネヘミヤ、アザルヤ、ラアムヤ、ナハマニ、モルデカイ、ビルシャン、ミスペレテ、ビグワイ、ネフム、バアナ。イスラエルの民の人数は次のとおりである」
ネヘミヤとモルデカイの名前が一緒に記されています。ネヘミヤの時代はアルタシャスタ王の時代でエステル記の後の話となっています。しかし、なぜかネヘミヤはアルタシャスタ王のかたわらに王妃がいたとわざわざ書いているのです(2:6)。もちろん王妃の名前はありません。文脈からすると不自然な記述です。ここからは推測ですが、最初モルデカイがエステルを養女として迎えたときエステルはかなり若かったのではないでしょうか?エステルを指す新改訳の「おとめ」は原文「naarah(ナーラ)」で、少女という意味合いが強いものです。エステル記の書き出しはアハシュエロス王治世3年となっています(エス1:3)。王の前妻ワシュティが去ってからエステルが王妃になるまで約2年。王の治世は20年ですから、エステルの年齢を仮に15才だっとしても、次王の即位時に29才ということになります。まだ若くて美貌のあるエステルを次の王が自分の王妃にしてもおかしくはないでしょう。もちろんモルデカイは次王のときは任を解かれていたので、自由な身分だったと思います。彼が神殿を直すために手を挙げたのは何の不思議もないことです。ネヘミヤ記の中に、エステルとモルデカイの存在を匂わす記述があるのは偶然ではないと思います。