栄誉とか昇進とか

エステル6:3「そこで王は尋ねた。『このために、栄誉とか昇進とか、何かモルデカイにしたか』王に仕える若い者たちは答えた。『彼には何もしていません』」
アハシュロス王は王の暗殺計画を知らせたモルデカイには、すでに何らかの褒美が与えられたのだろうと思っていました。もしモルデカイがエステルの養父であり、大切な家族であることを王に直訴するなら、「国の半分でも与えよう」とエステルに告げた王であるならば(5:3)、必ずモルデカイを要職に就け大切に保護したと思います。しかし、モルデカイは門衛としていつもエステルを見れる場所にいて、彼女を遠くから見守ることを選んだのです。それに対して、ハマンは自分をアピールすることを怠らない男でした。いつも自分の手柄を誇示し、できることなら王に等しい位を手に入れたいと考えていたのです。その証拠に「王に栄誉を与えたい者にどうすべきか?」という王の問いに(6)、王服を着させ、王の馬に乗せ、その頭に王冠をかぶせる…という、王様気取りの提案をしたのです。もちろん、自分がその栄誉を受けると確信しての発言ですが、いかにハマンが王の位に憧れていたかを示すものです。イザヤ書には、明けの明星と呼ばれたサタンが「いと高き方のようになろう」と自分の高座にすわろうとすることが書かれています(イザ14:14)。ハマンも同じように、高慢になり自分を高めようとしました。堕落する最初の一歩は、高ぶりだと思います。