冬は過ぎ去り

雅歌2:10-11「私の愛する方は、私に語りかけて言われます。「わが愛する者、美しいひとよ。さあ、立って、出ておいで。ほら、冬は過ぎ去り、大雨も通り過ぎて行った」
冬も大雨も大きな試練の比喩だと思います。イスラエルダビデやソロモンの繁栄を絶やさず続けていればよかったのでしょうが、どんな国でも繁栄と衰退があります。たった1つの支配が何千年も続くことはまれです。ユダヤ人たちにとってバビロン捕囚、アッシリア捕囚は大きな試練だったことでしょう。70年が過ぎ、彼らはまたエルサレムに戻ってきました。彼らにとってダビデの時代の再興のチャンスです。しかし、神はイスラエル国の再建を許しませんでした。イエス様が復活して昇天されるときでさえ、弟子の一人は「今こそイスラエルのために国を再興してくださるのですか(使1:6)」と訴えています。実際にイスラエルの国が再建されるにはさらに2000年近くの時間が必要でした。1948年にイスラエルが独立を宣告し国連がそれを認めたとき、世界中の人々が驚きました。聖書に書かれていた預言はその言葉通りになったからです(エゼ39:25,ロマ11:25-29など)。凍えるような冬が過ぎ、洪水のような大雨が過ぎ去った後には、暖かい日差しの澄んだ空気が広がります。雅歌の愛の語りかけは、この時代が過ぎ去り、苦しみも悩みもない御国へのいざないだとも取れます。この世の歴史は神の愛から始まり、神は世の終わりまで愛を貫かれるお方です。