あれはソロモン

雅歌3:7「見なさい。あれはソロモンの乗るみこし。その回りには、イスラエルの勇士、六十人の勇士がいる」
この女が探していた「あの方」はソロモンのことでした。ソロモンが町を進むときには、みこしに乗り、60人ものガードマンに囲まれていたようです。4節までの詩は女が夜も寝ないで愛する男を捜し、自分の母の家に連れて行くことが書かれています(4)。最後まで自分の愛を貫ける人に出会うことは大切です。雅歌は女と王との愛のやり取りが書かれ、やがて婚礼へと話は移っていきます。まさに、キリストと花嫁である教会をイメージさせる比喩です。ソロモンには神からの知恵がありましたが、愛や恋は知識や知恵でもどうにもならないものです。恋は人の目を曇らせ、盲目にさせると言われますが、まさに常識では理解できない行動が雅歌の女には見られます。それでも人間の愛ならば覚め、やがて飽きてお互いが愛し合っていたことを忘れてしまうのです。しかし、神の愛は人間のそれとは違います。一度愛したならば、どんなに環境が変わったり、相手の気持ちが離れていこうとその愛は変わりません。主への絶対的な信頼は、神が自らの子を捧げ、いのちまでも惜しまなかった愛に裏づけされていると思います。十字架のできごとは神の愛の象徴です。神が人との交わるために、罪なき者にしてくださったほど、神は人を愛されたのです。