雅歌は正典に残り

雅歌7:7「あなたの背たけはなつめやしの木のよう、あなたの乳房はぶどうのふさのようだ」
雅歌は中国語の「格式高い歌」という言葉からきているそうで、それ以外に聖書には申命記も中国語の言葉から名付けられています。もともとは文語訳からの引用で1880年代に日本語に訳す場合に、適当な日本語がなかったために中国語を参考にしたと言われています。エステル記と雅歌には「エロヒム」や「エホバ」という神の名を指す言葉が出てこない珍しい書簡として有名です。これだけのちょっとエロチックな表現の書簡はなぜ聖書の正典として残したのでしょうか?まず、ソロモンが書いたということがユダヤ人にとって大切だったのだろうと思います。ソロモンが神から知恵を与えられ、外交や貿易、内政に至るまでイスラエル史上最も栄えたことは誰もが知るところです。それゆえ、ソロモンの詩も古くから親しまれてきたのではないでしょうか。もう1つには、すでに王妃60人、そばめ80人を持っていたソロモンでも、愛や恋に関しては知恵を超えたどうすることもできない感情の高まりがあることがユダヤ人の共感を得たのかも知れません。雅歌の内容が神と教会との関係を取りざたされたのはずっと後になってからです。何の先入観もなく、雅歌を読むときにそれは恋愛のすばらしさを表現する詩であることがわかります。