ふたごのように

雅歌6:6「あなたの歯は、洗い場から上って来た雌羊の群れのようだ。それはみな、ふたごを産み、ふたごを産まないものは一頭もいない」
日本語の訳ではちょっと意味がわかりにくい節です。それは「ふたご」にあたるヘブライ語「taam(タアーム)」がふたごを産むという意味以外に、2倍にするという意味もあり、雌羊を表わす「rachel(ラヘル)」と共に「歯shen(シェーン)」にかかっているからです。ふたごの産まれたばかりの若い雌羊の歯を見比べるなら、2頭とも同じ歯並びをしています。ソロモン王の時代にはまだ歯の矯正の技術はなく、上下はおろか左右に歯並びが整っている者は稀でした。そのような中でソロモンの見初めた女の歯は白く輝き、きれいに整っていたのです。ソロモンはその様子をあたかもふたごの雌羊の群れを見たように表現し、左右、上下に整った歯をほめたたえたのです。歯ひとつをとっても非の打ち所のない彼女の美しさは際立っており、すでにソロモンの王妃になった女たちや、そばめになった女たちも彼女の美しさをほめた、とあります(9)。この美しい女もソロモンに惹かれ、お互い相思相愛であったことはわかります。もし、ソロモンの目が主の見方と同じようであり、主を比喩しているのであるなら、主が人を見る目は愛に満ちたものであると思います。それは容姿の問題でなく、心が整えられているかを暗示しているのではないでしょうか?