セレウコス朝

ダニ11:17「彼は自分の国の総力をあげて攻め入ろうと決意し、まず相手と和睦をし、娘のひとりを与えて、その国を滅ぼそうとする。しかし、そのことは成功せず、彼のためにもならない」
北の王がセレウコス朝シリアのことなら、南の王はプトレマイオス朝エジプトのことではないでしょうか?史実として、プトレマイオス2世の娘ベレニケがセレウコス国に政略結婚したことが残っています。あるいはプトレマイオス5世の娘クレオパトラが同様に政略結婚したことも歴史の本に書かれています。どちらにしろ、シリアとエジプトが北と南の王であることは間違いないようです。シリア帝国はその後継者争いから、領土が頻繁に変わり、政略結婚が行なわれた時代には東側の大半が部下の反乱などで奪われ、エジプトに身を寄せなければならないほどでした。もし、王がアンティオコス2世のことなら、政略結婚ののち前妻に妻と子どもを毒殺され、エジプトの怒りを買います。また、エジプトが支配していたエルサレムではユダヤ人を殺害し、4万人の奴隷と4万人の捕囚にして、「卑劣な者(21)」の名前を欲しいままにしていました。これらの預言の後に、預言の内容は世の終わりの預言に変わっていき、かつてないほどの苦難があることが告げられます(12:1)。ヘブル語には時制がないので、あたかも今起きるように語られていますが、主にとって1000年ぐらいの時間は1日ぐらいでしかないのです。