あなたがたの君ミカエル

ダニ10:21「しかし、真理の書に書かれていることを、あなたに知らせよう。あなたがたの君ミカエルのほかには、私とともに奮い立って、彼らに立ち向かう者はひとりもいない」
人のような姿でダニエルに語りかけているのはガブリエルだと思います(16)。ガブリエルは神の民であるユダヤ人を守るためにミカエルだけが戦うことを告げます。それは間もなく終わろうとする70年の捕囚を前に、一人としてユダヤ人たちが失われないようにするためです。ペルシャはメディア・ペルシャのことで、ギリシヤはアレキサンダー大王率いるマケドニア軍のことではないでしょうか?ダニエルが預言したように、銀の胸と腕、銅の腹と股があらわれ、それぞれの支配のときが近づいています。しかし、ペルシャにしてもギリシヤにしても、捕囚されているユダヤ人のことなど気にかけてもいないのです。新しい支配者では、今までと同じように異邦人であるユダヤ人が重用され、重要なポストに就ける保証などありません。むしろ、新支配者によって弾圧され過酷な労働を強いられると考えたほうが歴史の流れとしては自然です。ミカエルの戦いは重装備した兵士を倒すという単純なものではなく、歴史が大きく変わろうとしているときにいかに神の民ユダヤ人たちを守るかというものでした。結果として、いつの時代でもユダヤ人は滅亡することなく生き残り、属州という立場ではあるものの、イエス様の時代まで律法を守る社会に住むことができたのです。