ホセアとゴメル

ホセ1:6「そこで彼は行って、ディブライムの娘ゴメルをめとった。彼女はみごもって、彼に男の子を産んだ」
姦淫の女をめとれ…とはとても主の命令だとは思えません。しかし、主はときとして預言者に厳しい注文を突きつけて、周りにはっきりと預言の内容を伝えるようにされました。イザヤは裸になり、はだしで街を歩かされました(イザ20:2)。エゼキエルは片方だけの脇を下にして長い間横たわっていなければなりませんでした(エゼ4:9)。しかも食べるパンを人の糞で焼けとも言われるのです(エゼ4:10)。さすがに人の糞で焼くことは免除されましたが、ホセアに対してもとても厳しい命令が与えられます。それは当時の預言者は民衆の間でも特別な存在で、何を話すか、どんな行ないをするかはいつも注目されていたからです。イスラエルの律法によるならば、姦淫は石打ちの刑です(レビ20:10)。ゴメルが石打ちに合わずにいたことは、ゴメルが誰の妻でもなく、娼婦であったことが推測できます。イスラエルの人々は預言者ホセアの結婚に驚いたはずです。しかも、その子どもに付けた名前を聞いてさらに驚かされます。イズレエルは「神は散らす」、ロ・ルハマは「あわれまない」、ロ・アミは「わが民ではない」という意味になります。最低でも3年かかるこの大規模な預言は、イスラエルに深く伝わるメッセージとなったはずです。