バアルを取り除く

ホセ2:17「わたしはバアルたちの名を彼女の口から取り除く。その名はもう覚えられることはない」
バアルはカナンの地の神でした。ちなみにダゴンというのはバアルの父とされる神で、士師記サムソンの時代(士16:23)、またサムエル時代にペリシテ人に契約の箱を奪われたときに箱をダゴンのかたわらに置いたとの記述もあります(1サム5:3)。イスラエル人がカナンに入ってきたときに、神の命令に従い先住民を追い払い聖絶していたなら、バアルがイスラエルの民の中に入ってくる余地はなかったでしょう。イスラエルの民は先住民である民族をすべて滅ぼさず、共存する形を取っていました。それゆえ、土着の宗教も残り、さらにイスラエルと他民族の雑婚もすすみ、主が最初に計画していたイスラエルの姿とは違っていました。その様子を「姦淫」と呼んでいるのです。十戒の最初にも書かれているように、主以外に他の神があることは、主が最も嫌われることです。それでも主はイスラエルを我慢して見守っておられましたが、時は満ちもう見過ごすことのできないほどの乱れっぷりに、ホセアを遣わして姦淫をするならいかにひどい罰があるのかを示そうとしておられます。この時代に生まれたホセアとしては災難です。姦淫の妻と結婚さされ、その子どもに神から捨てられるような名前をつけさされたのです。神に従う器は相当に砕かれることがわかります。