ベテ・アベンの子牛

ホセ10:5「サマリヤの住民は、ベテ・アベンの子牛のためにおののく。その民はこのために喪に服し、偶像に仕える祭司たちもこのために喪に服する。彼らは、その栄光のために悲しもう。栄光が子牛から去ったからだ」
ヨシュア記によるとベテ・アベンはベテルの東にあったと書かれています(ヨシュ7:2)。ベテルはヤコブが兄エサウから逃れ、ラケルの兄ラバンのところへ行こうとした途中で天幕を張って泊まった場所です。ヤコブは宿泊の夜天からはしごがかかり、御使いたちが上り下りするのを目撃します(創28:12)。そして、その場所が神の隣在のある場所だと悟り、ルズという地名を「神の家」という意味のベテルと変更したのです(創28:19)。それ以来、その場所には祭壇が設けられ、イスラエルの神がおられる神聖な場所として大切にされていました。ベテ・アベンはそこからわずかの距離の場所で、ベテルと同じように祭壇があり、子牛の偶像があったとあります。子牛はエジプトのアビス神の信仰の対象で、モーセ十戒を持って山から下ってきたときに、金の子牛を作って拝んでいた過去があります(出32:3)。イスラエルの民は懲りずに子牛への信仰を捨てず、約束の地に入ったあとにもベテルのすぐ脇にアビス神の祭壇を作り拝んでいたのです。ホセアはこのどうしようもないイスラエルの偶像癖さえも、もう許されない…と預言しました。神の与えた時間内に悔い改めないと滅びの時は待ってくれないのです。