兄弟の契り

アモス1:9「主はこう仰せられる。『ツロの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らがすべての者を捕囚の民として、エドムに引き渡し、兄弟の契りを覚えていなかったからだ』」
アモスが活躍した時代はユダ王ウジヤの時代、イスラエル王ヤロブアムだと書かれています(1)。もちろんヤロブアムは2代目のことですが、ユダではソロモンが死んでから10代目のウジヤの頃で、捕囚に会うのはさらに10代の王が交代しなければなりません。捕囚の頃には近隣の諸国がユダヤ人を裏切り、奴隷のようにエドムに引き渡すようになるのです。その中でもツロは「兄弟の契り」を覚えていない…とあります。ダビデ、ソロモン時代にはツロの王ヒラムは神殿建設や宮殿建設に協力を惜しまず、ダビデもソロモンもヒラムには恩義を感じ、ツロとは友好関係にありました。しかし、時代が流れそれぞれの国の王が代わり、国の政治的背景や経済状況が変わってくると、ソロモンの時代の契りもだんだん薄れていったのかもしれません。ツロにとってソロモンの知恵は大変魅力的なもので、多くのアイデアや貿易に関するアドバイスを受けていたと推測できます。そういった旨みがなくなり、王が代わるたびに主に仕えたり、背いたりする様子に嫌気がさしていたのかも知れません。ちなみにヒラムはフリーメイソン創始者とも言われ、ユダヤ人との関係が深い立場にあると言われています。