わかっています

ヨナ1:12「ヨナは彼らに言った。『私を捕らえて、海に投げ込みなさい。そうすれば、海はあなたがたのために静かになるでしょう。わかっています。この激しい暴風は、私のためにあなたがたを襲ったのです』」
列王記の記述によれば、ヨナが活躍した時代はユダのアマツヤ王よりも前で、ヨナによりイスラエル王ヤロブアム2世がレボ・ハマテからアラバの海までイスラエルの領土を回復することが預言されていました(2王14:25)。ヨナは紀元前800年ごろの人だと思われ、おそらくヨナの死後にアッシリアにセナケリブという独裁者が現れ、ユダ王国もたびたび攻撃にあっています(2王18:23、2歴32:22)。アッシリアによってイスラエル王国が捕囚にあうのは、ヤロブアム2世よりさらに50年後のことです(BC722年)。ニネベに関してはナホムがその滅亡を預言しており(ナホム3:7)、神の御心にかなう国としては扱われなかったことがわかります。そんなニネベの町にも異国の地から、彼らにとっては異教の神を信じるヨナが派遣され、悔い改めを説くようミッションが与えられます。なぜ主がニネベを悔い改めに導こうとしたかは謎ですが、預言者ヨナが激しく抵抗したことはわかります。ヨナは主から逃げることが無意味であることは理解していました。それでも主に自分が嫌がっていることを知ってもらおうとしたようにも見えます。自分の思いと神の思いが違うときには苦しむのが当たり前です。たとえ預言者であろうとも、心の葛藤は避けられないのです。