ロトの選んだ土地

創13:12_13「アブラムはカナンの地に住んだが、ロトは低地の町々に住んで、ソドムの近くまで天幕を張った。ところが、ソドムの人々はよこしまな者で、主に対しては非常な罪人であった」
いまだにソドムとゴモラのあった位置は確認されていませんが、伝説では塩の海、すなわち死海に沈んだと言われています。とにかくカナンの地に対して低地になるのは死海近辺しかないので、そのあたりのどこかということになります。聖書ではロトの見た土地は「主の園のように(10)」とあり、当時は肥えた土地で潤っていたようです。ロトの目には潤った様子しか映らず、そこに住むソドム人のよこしまな性格までは見極められなかったのです。それでもロトはソドムの好色で、乱暴な性格には引き込まれず、主に対してまじめな生活を送っていました。それゆえに、滅びのときには助け出されたのだと思います。肥沃で豊かな土地は、大きな富をもたらしたのでしょう。人は豊かになると主を忘れ、自分勝手に生きるようになります。洪水の次に主のさばきが行なわれるのは「火」によってです。ソドムはほんの小さなデモンストレーションでしかありません。「人の子が来たとき、はたして地上に信仰が見られるでしょうか(ルカ18:8)」とあるように、最後の試練は本物の信仰を試されるときです。地上に10人の信じる者が残っていれば滅ぼされることはないでしょう(18:32)。