肉の子、約束の子

創16:12「彼は野生のろばのような人となり、その手は、すべての人に逆らい、すべての人の手も、彼に逆らう。彼はすべての兄弟に敵対して住もう」
一般にイシュマエルは肉の子で、イサクは約束の子だとされています。そもそも不妊であったサライが自分の判断で、女奴隷ハガルをアブラムに与えたのです。それは奴隷の子であれ、跡継ぎが生まれるなら正妻であるサライがその母になれると思ったからです(2)。ところが妊娠したハガルはサライを軽視するようになります(4)。そこでサライは主人の立場を利用して、今度はサライがハガルをいじめたのです(6)。主は生まれてくる子が男の子でイシュマエルと名付けられることを告げ(11)、やがて数え切れないほどに増えることを預言しました(10)。そして、現在イスラム圏には約16億人が住み、全世界の人口の24%を占めています。確かに彼らの数は増えましたが、肉から出たサライの考えは、ハガルの蔑視を生み、サライのいじめにつながり、やがて生まれてくる子は野ロバのようになりすべての人に逆らう…とつながっていくのです。イシュマエルの子孫はアラブ人となり、アラブ人はイスラエルを支援するアメリカやイギリスのことが嫌いです。結局、国連主導で独立を達成したイスラエルとアラブ各国は敵対関係になりました。戦力の格差でまともに対抗できないアラブ陣営は、テロという形でイスラエルや支援国家に対抗しています。肉から派生した思いは肉によって刈り取るようになるのです。