不思議だが理にかなう

 創30:36「そして、自分とヤコブとの間に三日の道のりの距離をおいた。ヤコブはラバンの残りの群れを飼っていた」
ヤコブが飼っていたのはラバンの白い普通の羊ややぎでした。ヤコブが報酬としてもらうべきぶち毛やまだら毛の羊たちはラバンの息子たちが飼っています(35)。おそらく羊をうまく飼う能力の高いヤコブに自分の羊を任せ、羊をあまりうまく飼い慣らせない息子たちにヤコブの羊を任せることで、ラバン自身の財産は増えると考えたのでしょう。ラバンとヤコブとの間には3日の道のりの距離がありました。ヤコブは知恵を使いアーモンドやポプラの皮をはぎ、水ふねに刺したとあります(38)。これらの植物の若枝からどんな分泌物が出ているかは不明ですが、とにかく水を飲みにきたヤコブの羊たちはさかりがつき増えたのは事実です。詳しくはわかりませんが、おそらく劣性遺伝子のまだらやぶち毛が生まれる確率は少なかったと思います。それでもヤコブの群れからはぶち毛や黒毛が産まれ、ラバンの群れの中でも別グループとして分けられていました。例えば100対1の割合でぶち毛が産まれるなら、ラバンの羊1000頭に対してヤコブの羊10頭になります。少数でもヤコブの羊がさかりを覚えて繁殖を繰り返すなら、ヤコブの羊だけが増え続け、5年もすればほぼ同数の割合になる計算になります(年2回2頭ずつ出産として)。主はラバンの意地悪な思いの中でも、ヤコブを祝福されたのです。