石塚が境界線

創31:52「この石塚が証拠であり、この石の柱が証拠である。敵意をもって、この石塚を越えてあなたのところに行くことはない。あなたもまた、この石塚やこの石の柱を越えて私のところに来てはならない」
石塚の場所をヤコブは「ガルエデ」と名付けました(48)。このヘブライ語は地名「ギルアデ(21)」と同じ綴りで発音も似ています。おそらくヤコブがギルアデをもじってこの名前をつけたのでしょう。すでに神の御使いが現れ、ヤコブにラバンのことについてさばかれたのです(42)。ラバンとしても手の施しようがありません。ただ、自分の家にあった家長のしるしであるテラフィムについては納得がいっていないようです。それでも本来、長女レアと結婚した男は跡取りとなり長子の権利を得たはずです。ヤコブはレアとラケルの夫となりました。自分の娘のみならず、孫たち、使用人、ぶち毛やまだら毛の羊たちを持っていかれるのはラバンとしても悔しい思いがあったでしょう。しかし、彼の20年間に渡るヤコブへの仕打ちはそのまま彼に帰ってきたのです。いまさら悔やんでも後の祭りです。ラバンは石塚を境界として、ヤコブが怒りに任せて自分を襲ってこないように約束をしました。ヤコブとしても前にエサウ、後ろにラバンでは引くに引けない状態です。ふたりは和解をし、あくまでも円満に別れたことにしたかったのです。それは神の介入があり、さばきが行われたからです。