よりによってイシュマエル

創28:9「それでエサウはイシュマエルのところに行き、今ある妻たちのほかに、アブラハムの子イシュマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻としてめとった」
エサウがヘテ人を妻にしたのは40歳のときでした(26:34)。ヘテはもともとカナンの次男として生まれ、遠い親戚筋であったのは間違いないようです(10:15)。彼らの持つ風習やしきたりはアブラハムから受け継いだものとは違い、イサクもリベカもかなり悩んでいた、と書かれています(26:35)。リベカがヤコブを逃がすために口実にしたのもエサウの妻たちのヘテ人のことでした(27:46)。彼女たちが何をしたかは具体的には書かれていませんが、おそらく異教の神の風習をエサウに習わせたのだと思われます。いくら鈍いエサウでもイサクが自分の嫁を嫌っていることに気づいたようですが、すでに弟ヤコブに祝福を奪われたあとでした。父イサクが目が見えなくなり、死も近づいたころにエサウが気づきあわてて、近い親戚筋の娘を嫁にしますが、よりによってイシュマエルのところから貰うのです。なんとも鈍感で現代で言うなら「空気の読めない」性格がよくわかります。目の前の食物にとらわれ、長子の権利を軽んじたり、勝手に多民族から嫁をもらい、祝福をうばわれたらうろたえる…こんな人、周りにいるのではないでしょうか?どうしても腰を据えて物事を考えられず、いつも行き当たりばったりの判断をする人がエサウです。主が選ぶ人はどうやらエサウのような性格とは反対の人のようです。