ディナ事件

創34:25「三日目になって、ちょうど彼らの傷が痛んでいるとき、ヤコブのふたりの息子、ディナの兄シメオンとレビとが、それぞれ剣を取って、難なくその町を襲い、すべての男子を殺した」
シメオンとレビはディナと同じ母レアから生まれた本当の兄妹でした。それゆえ妹ディナへの思いはひとしおだったと思います。それにしても長男ルベンはどうしたのでしょうか?この後ルベンは父ヤコブのそばめビルハとと寝た…とあります(35:22)。つまり性的に乱れた考えを持つルベンは、自分の妹ディナが犯されたことについて、だんまりを決め込んだのです。おそらく父ヤコブのそばめビルハと寝たのは、その場限りの感情の高ぶりで起きたハプニングではなく、その前からルベンは性的に乱れ多くの女性と関係をもっていたのではないでしょうか?とにかくこの出来事でシメオンとレビはヤコブから遠ざけられ、ヤコブ最後の予言でも「シメオンとレビとは兄弟、彼らの剣は暴虐の道具(49:5)」とされ、「彼らの仲間に加わるな(49:6)」と忠告を受けています。長男、次男、三男とそれぞれ失敗をし、長子の権利は四男ユダに移ります。ユダも一度は堕落しましたが、息子嫁のタマルにより信仰を回復します(38章)。さらにレビは出エジプト後荒野で金の子牛を造り罪を犯したときに、「だれでも、主につく者は、私のところに(出32:26)」というモーセの問いかけにレビ族だけが集まりました。そして、レビ族は主に直接仕える祭司として、ユダは12部族のリーダーとして立てられたのです。シメオンはその後ユダ族に併合され、一緒の土地に住むようになります(士1:3)。全ての始まりはディナの事件からでした。