エサウの歴史

創36:2「エサウはカナンの女の中から妻をめとった。すなわちヘテ人エロンの娘アダと、ヒビ人ツィブオンの子アナの娘オホリバマ」
エサウはカナンの女、すなわちノアの息子ハムの四男カナン(10:6)から出た子孫の女を妻としました。アブラハムセムの子孫ですが、彼は主の命令によってカナンの地に移ってきました(12:1)。それゆえにカナンにもともと住んでいた人たちと交わるようになるのは避けられないことでした。ヘテ人は英語でヒッタイト(hittite)となり、後にアジア地方を征服したヒッタイト族のことです。またヒビ人もパレスチナ地方に住むハム系の子孫です。ヘテ人もヒビ人もルーツをたどればノアの子孫ですが、長い年月の中でそれぞれ土着の神を信仰するようになり、ヤコブもリベカも彼女たちに悩まされたと書かれています(26:35)。それでも聖書の中にエドムの歴史が長々と語られているのは、エサウアブラハムの約束を受けた子孫の1つであることを示しているのだと思います。しかし、エドムはイスラエルの隣国でありながら常に敵対し、妨害をしてきました。バビロニアに攻められるときも、イスラエルとの同盟を裏切り、結果、バビロン捕囚にあってしまいます。イザヤ、オバデヤ、アモス、マラキの預言の中に欠かさず、エドムに対する滅びの警告があります。神がせっかくエサウの子孫も恵の中に入れてくれているのに、エドム人は応えられなかったのです。