神の子と認めよ

マタ4:7「イエスは言われた。「『あなたの神である主を試みてはならない』とも書いてある」」
サタンの2度目の誘惑は、最初の誘惑にイエス様が御言葉を使って応えられたことに対応しています。今回はサタンも御言葉を使って誘惑しています。詩篇91編の美しい詩の箇所です。書かれているのであるなら、それは真実であり、神の権威を伴います。サタンの誘惑も巧妙になってきました。しかも、この誘惑にはもう1つのトリックがあります。それは「あなたが神の子なら(6)」という条件です。イエス様はかたくなに、ギリシャ語で「huios theos(フイアス ゼウス)」すなわち「神の子」を自ら語ることはしませんでした。それは、バプテスマのヨハネに語った「盲人は見…(中略)…わたしにつまづかない者は幸いです(11:5)」とあるように、ご自身の行ないによって証しをすることによって、神の子だと知らしめる方法だったからです。まだ宣教をスタートしていないのに、この荒野での誘惑に負けるわけにはいきません。聖書を注意深く読むなら、イエス様の口から「神の子」は決して告白していないことがわかります。唯一、ペテロ(16:16)と大祭司カヤパ(ルカ22:70)がイエス様を神の子だと言いましたが、イエス様はそのことを肯定するだけで決して自らが「神の子」だとは名乗りませんでした。サタンの誘惑とおりに神殿から飛び降りるなら、確かに御使いはイエス様を守ったでしょう。しかし、その行為そのものは「神の子」を告白することになってしまうのです。