主の前で揺り動かす

出29:24「これらをみなアロンの手のひらと、その子らの手のひらに載せ、これらを奉献物として主に向かって揺り動かす」
手のひらの上にあるのは「種を入れないパンのかごの丸型のパン一個と、油を入れた輪型のパン一個と、せんべい一個(23)」の3個の食べ物です。それぞれ手のひらに載るほどの大きさで、パンと書かれているのは「lechem(ラヘム)」というヘブライ語でせんべいは「raqiyq(ラキク)」が使われ、ウエハースのような乾いたお菓子を表わします。これらを焼いて主へのなだめの香りとするわけですが(25)、その前にそれらの食べ物を揺らさなければなりません。主への捧げものを定めている聖書の箇所には、捧げる前に「揺り動かす」ことが義務付けられています(レビ14:12、23:20、民6:20など)。揺り動かすは「nuwph(ヌーフ)」という単語が使われ、英語訳では「wave」で揺らすようなイメージです。なぜ揺らすのかは不明ですが、おそらく手のひらの上には他に何も載っていないことを主に示すためだと思われます。レビ記でも収穫の初穂の束を揺らしますが、他の植物が混じっていないことを主の前で振ってみせるためではないでしょうか。主の前に捧げるものには不純物があってはなりません。礼拝を捧げるときも、自分の心を揺さぶってみて、何か罪の部分が残ってはいないかをチェックする必要があります。