あなたの書物

出32:32「今、もし、彼らの罪をお赦しくだされるものなら。しかし、もしも、かないませんなら、どうか、あなたがお書きになったあなたの書物から、私の名を消し去ってください」
一般的に神の書物とは聖書のことです。しかし、それ以外に「いのちの書」と呼ばれる、我々が目にすることがない神の書物があるようです(詩69:28、イザ4:3)。特に黙示録ではいのちの書と書かれている箇所が5箇所もあり(黙13:8,17:8、20:12,20:15、21:27)、終わりの時代に選ばれている者たちと、そうでない者たちを分けるキーワードになっています。黙示録では「子羊のいのちの書」と記され、より具体的なものになっています。いのちの書(ギリシャビブリオン・ハ・ゾエ)は、神が世が始まる前から定められた名前が記され、聖書によるとその名前は書き加えたり、消したりすることができるようです。モーセの時代には、そのような書物があることが知れ渡っていたようで、モーセは自分の責任を感じ死ぬ覚悟で主に直訴しています。もし、仮にモーセの名前を書物の中から消し去っても、罪を犯した者たちへのあがないはできません。モーセの命では無理なのです。主は「わたしのさばきの日にわたしが彼らの罪をさばく(34)」と言われ、モーセの申し出を断っています。罪のあがないはイエス様の十字架まで行なわれず、動物をいけにえとして捧げることによって罪の存在を人に知らせるだけにとどまっていたのです。