聖書の訳に挑戦

詩8:5「あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせました」
聖書の文章中に※印があると、どうも気になってしまいます。この箇所では、短い文の間に2つも印がついています。最初の印は「神」が「御使い」とも訳せるというものです。2つ目は「劣る」が「足りなくする」というものです。この箇所はパウロによって引用されています(ヘブ2:7)。その中でははっきりと「御使い」だと訳されています。それゆえ、旧約の訳も「神」ではなく「御使い」の可能性があるので、註訳として※印をつけたのでしょう。実際の詩篇のヘブル語は「エロヒム」であり、「神」としか訳せません。「劣る」は「低くする」とも訳せます。「いくらか」は「僅かに」とも訳せますが、量を表わすと同時に時間を表わす言葉でもあります。ヘブル書では「しばらくの間」という時間を表わす訳になっています。資料を統括して訳すなら「神よりも、僅かに低くして」となります。人をそれほどのポジションにおき、栄光と誉れの冠をくださるとは、神の愛はどれほどのものでしょう。