アザゼルのやぎ

レビ16:10「アザゼルのためのくじが当たったやぎは、主の前に生きたままで立たせておかなければならない。これは、それによって贖いをするために、アザゼルとして荒野に放つためである」
アザゼルは英語訳では「scapegoat」と訳され、問題があったときに差し出される身代わりの意味を持ちます。日本の社会では責任者が辞任や解雇されることで、当事者ではなくても処分されることがあり、処分される者はよく「スケープゴート」と呼ばれています。アザゼルは日本語では訳されておらず、もともとの意味は「永遠に葬ること」の意味があります。聖書にはレビ記の16章にしかこの言葉がなく、アザゼルを知るには情報不足ですが、聖書の外典エノク書」には、堕天使がノアの時代に地上の女と関係を結び巨人を産んだとされ、アザゼルが堕天使のリーダーだったことが書かれています。エノク書を参考にするなら、アロンは自分の罪の身代わりをアザゼル(すなわち悪魔、サタン)のもとに送ることにより、罪をあがなうことになります。それとは別に会見の幕屋ではもう1頭のヤギが捧げられ、罪のあがないが2パターン書かれています。罪にはかたちがなく、ヤギに罪を背負わせたとしても目に見えるわけではありません。あくまでも比喩ですが、ペテロはイエス様が十字架に架かり死なれたときに、捕らわれた霊のところに行かれたことを証言しており(1ペテ3:19)、アザゼルのヤギを思い出します。イエス様とアザゼルのヤギとは密接な関係がありそうです。