銀のラッパ

民10:2「銀のラッパを二本作らせよ。それを打ち物作りとし、あなたはそれで会衆を召集し、また宿営を出発させなければならない」
ラッパという単語はヘブライ語で「chatostserah(ハッツォーツェラ)」で聖書では民数記10章に初めて登場します。それまでは「角笛(showpherショファー)」が使われ、英語訳ではどちらも「trumpet」となっています。今回は今までのように動物の角ではなく、はっきりと「銀」で作るように命じられています。そして、その役割もはっきりとしています。2本同時に長く吹くならば「集合」の合図です(3)。もし1本だけならリーダーだけがモーセのところに集まります(4)。また短く吹くならば「出発」の合図です(5)。間違って長く吹くはずの合図を短く吹いてしまったら大変です。各部族は身支度をして出発してしまうからです。角笛の場合は神の隣在や贖罪を表わすのに対し(レビ25:9,ヨシュ6:6など)、銀のラッパはもっと義務的な集合や出発の合図として使われました。おなじラッパでも音色が違い、吹き鳴らす意味も違っているのは興味深いことです。ただラッパは弦楽器や打楽器に比べ、遠くまで音が響き、多くの人に何かを知らせるのには好都合なものです。黙示録にもラッパはとても大事な道具として登場しています。