ベニヤミンのクシュ

詩7:9「どうか、悪者の悪があとを絶ち、あなたが正しい者を堅く立てられますように。正しい神は、心と思いを調べられます」
最初に書かれているベニヤミンのクシュという人物は聖書のほかの箇所には登場しません。しかし、詩篇3編にはアブシャロムから逃亡の際の歌があることから、このクシュという人物が何かしらダビデに害を及ぼそうと働いていて、ダビデがその行為に対して主に訴えている様子のように思えます。ベニヤミン族からは初代王サウルが出ており、サウルはダビデに嫉妬し殺そうとしていたことから、クシュはサウルの家臣でダビデを落としいれようと策略していたのかもしれません。こう推理するなら、ダビデはまだ王にはなっておらず、サウルの家臣からいわれのない嘘やいじめに会い、罪に定められようとしていたと考えられます。そうするとこの7編の歌が理解しやすくなります。ダビデは自分は神に拠り頼み、主に助けを求めたことを訴えています(1)。ダビデの態度はあくまでも自分ではさばかない態度です。神が正しい判断で、正しいさばきをするお方だということを心から信じている証拠です。ダビデが主から愛され、王の位を与えられたのは、主とダビデの信頼関係が確立していたからだと思います。その第一歩が、自分でさばかないということで、ダビデは自らの剣で悪者を倒すことはありませんでした。