隠しどころ

申25:11「ふたりの者が互いに相争っているとき、一方の者の妻が近づき、自分の夫を、打つ者の手から救おうとして、その手を伸ばし、相手の隠しどころをつかんだ場合は」
「隠しどころ」の英語訳はNIVでは「his private parts(個人的な場所)」となっていますが、NASBでは「seizes his
genitals(生殖器を握る)」と訳されており、おそらく男性の急所を指しているのだと思われます。端的に言うと「金的」つまり睾丸のことです。いかに自分の夫が争って危ない目に会い、緊急を要する場合であっても、急所をつかむことは許されません。それは5節から10節にまで書かれているように、子孫を絶やさず、家族の名前も継承していくように、夫が亡くなったときでもその兄弟によって子どもを作りなさい…とわざわざ子孫に関する厳しいきまりがあったことからも想像できます。つまり、夫と争う相手をたたいたり、小突いたりしても問題はないが、子どもを作る大切な箇所となると話は別だということです。その妻の手は容赦なく切られてしまいます。それほど子孫を残し、代々の家を継承することは大切なことで神の御心でもあります。緊急事態が起きたときに、非合法的な手段で乗り切ることがありますが、聖書ではいのちに関わる危ない橋を渡ることを禁じています。「反則」はあくまで反則としてカウントされるのです。夫を守るためという大義名分が、何よりも優先するのではなく、主のルールのもとに判断しなければならないと思います。