一連の歌

詩43:1「神よ。私のためにさばいてください。私の訴えを取り上げ、神を恐れない民の言い分を退けてください。欺きと不正の人から私を助け出してください」
詩篇42篇と44篇との最初には「指揮者のために。コラの子たちのマスキール」と書かれ、49篇までコラの子たちの歌が続きますが、43篇だけはタイトルがありません。もし、別の人の歌だとすると、一連のコラの子たちの歌の中に他の人の歌を加えるのも違和感があります。一般的に43篇は42篇の続きだとされ、42編の救いを求める内容に対し、43編はさばきを求め主を礼拝する決意の歌になっており、内容の違いから編集者が42編と43編を分けたのだと思われます。つまり43編にタイトルがないのは、もともと一つの歌だったからです。「わがたましいよ。なぜ、おまえはうなだれているのか。(中略)私はなおも神をほめたたえる。私の顔の救い、私の神を(42:11,43:5)」は歌の最後に繰り返される決まったフレーズです。もしかしたら、この最後の一節を繰り返す歌があったのかもしれません。マスキールというのは演奏方法なのか、歌い方なのかはわかりませんが、歌の内容からスローなテンポであるのは間違いないようです。コラの子たちは主に対する思いをマスキールという歌い方(?)で歌い、主の前で賛美を捧げる者たちだったのです。