ドエグの密告

52:1「指揮者のために。ダビデのマスキールエドム人ドエグがサウルのもとに来て、彼に告げて「ダビデがアヒメレクの家に来た」と言ったときに」
ダビデがサウル王から逃げる途中でガテ王アキシュのもとへ身を寄せたとき、自分の正体がばれそうになり気がふれた振る舞いをした有名な箇所があります(1サム21:13)。ダビデはアキシュのもとへ行く前に祭司アヒメレクのところでパンと剣を受け取っていました。それをドエグに見られていたのです(1サム21:3-10)。しかも聖書には「主の前に引き止められていた(1サム21:7)」と書かれており、ドエグがサウルに密告することも主の意思が働いていたことがわかります。結局ドエグは祭司85人を殺し、サウル王の前でてがらを立てました(1サム22:18)。ダビデもアヒメレクのところでドエグがいるのを知っており、密告することを予想していましたが(1サム22:22)、祭司が殺されたことを知り責任を感じていました。ドエグがその後どうなったかは書かれていませんが、ダビデは知らせを聞いたとき「私は、とこしえまでも、あなたに感謝します(9)」と歌い、主をほめたたえ自分でドエグを打つよりも、主にそのさばきをゆだねたのです。ダビデを支援してくれた祭司が殺され、ダビデもはらわたが煮えくり返る思いだったと思います。しかし、ダビデは「主に感謝」、「さばきは主のもの」という基本姿勢を崩すことはなかったのです。