そそのかして

ヨシュ15:18「彼女がとつぐとき、オテニエルは彼女をそそのかして、畑を父に求めることにした。彼女がろばから降りたので、カレブは彼女に、『何がほしいのか』と尋ねた」
士師記1章にも同じ記事があります(士1:12-15)。それはオテニエルが最初の士師として数えられているからで、彼はカレブの異父兄弟でした(17)。オテニエルはデビルの地(ギルアデ・セフェル)の土地を勝ち取り、カレブの娘アクサを妻としてめとりました。そのとき彼女を「そそのかして」「畑」をカレブに求めさせた…とあります。しかし、彼女は「畑」ではなく「水」を父に願いました(19)。デビルはネゲブ地方の北端にあり、デビル(ギルアデ・セフェル)を取ったということはネゲブを征服したと同じ意味なのだと思われます。しかし、ネゲブは荒野で畑をネゲブで望んだとしても無理な相談です。ネゲブで生活するのに必要なのは、肥えた土地ではなく、まず「水」だったのです。この話にはいろいろな説がありますが、オテニエルがネゲブを理解しておらず、アクサのほうが土地勘や地理に詳しかったとされるのが有力視されています。オテニエルは戦いには長けていましたが、戦い以外のことはあまり詳しくなかったようです。カレブの娘アクサの機転の利いた対応が夫を助けたのです。