ありがたい

イザ39:8「ヒゼキヤはイザヤに言った。「あなたが告げてくれた主のことばはありがたい。」彼は、自分が生きている間は、平和で安全だろう、と思ったからである」
ヒゼキヤは25歳で王になり、29年間ユダを統治しました(2歴29:1)。つまり54歳で亡くなったヒゼキヤは、39歳のときにイザヤから死の宣告を受けたことになります。39歳で死ぬことはやはり悲しかったのでしょう。いかに15年の寿命延長がうれしかったがわかります。「ありがたい」は原語では「towb(トウブ)」となっており、「良い」とか「喜ばしい」という意味です。「自分が生きている間」は主から与えられた15年の寿命延長のことです。本来ならばヒゼキヤは重い病気にかかっており、イザヤが死に備えて身のまわりを整理するように、と伝えなければならないほどヒゼキヤの残りの寿命は少なかったのです(38:1)。15年という時間が与えられたことで、ヒゼキヤは舞い上がり、バビロン王に宝物倉のすべてを見せてしまいます(2)。また、イザヤからバビロンに宝物を全部持ち去られることを聞いても、彼は「それは良い主のことば」だと言うのです。確かにバビロン王はすぐにはユダを攻めてこず、ユダがバビロン捕囚に遭うのはヒゼキヤから120年後です。120年だと宝物倉を見たメロダク・バルアダンももう死んでいます。しかしバビロンがユダを攻めたときには、宝物はすべて持ち去られます(2王24:13)。ヒゼキヤの見せた宝物はバビロンの間では語り継がれるほどすごかったのです。