士師記の記事

詩83:11「彼らの貴族らを、オレブとゼエブのように、彼らの君主らをみな、ゼバフとツァルムナのようにしてください」
オレブとゼエブはともにミデアンの首長で、ギデオンが有名な300人の少数部隊で戦ったときに負けて殺された2人です(士7:25)。またゼバフとツァルムナはミデアンの王たちで、同じくギデオンに殺されました(士8:21)。さらに9節に出てくるヤビンはカナンの王で、シセラはヤビンの将軍でした(士4:2)。シセラは女士師デボラによってケニ人ヘベルの妻ヤエル殺されると預言され、その通りになりました(士4:22)。これらの士師の話はアサフから150年も前の話ですが、彼は士師の活躍を覚えていました。おそらく早い時期からペンタテューク、すなわち創世記から申命記までのモーセ5書は編纂され、律法の書として存在していたと思われます。それに対して士師記は伝説ではサムエルが書いたとされています。ダビデ王の時代に士師のことを思い出し、その活躍に目を留めて主に同じようにさばきをしてください…とアサフは言っているのです。主の賛美する歌を歌うときに、歴史が垣間見え、士師記が思ったよりも早く編纂され、多くの人に読まれていたことがわかる一節です。