銀5500の誘惑

士16:5「すると、ペリシテ人の領主たちが彼女のところに来て、彼女に言った。「サムソンをくどいて、彼の強い力がどこにあるのか、またどうしたら私たちが彼に勝ち、彼を縛り上げて苦しめることができるかを見つけなさい。私たちはひとりひとり、あなたに銀千百枚をあげよう」」
原文では1100の銀となっており、NIVの訳では1100シェケルとなっています。もし1100シェケルなら約13キログラムとなり、ペリシテの領主5人分ですから(3:3)、65キログラムほどの銀の量になります。とても女の力で持ち運びのできる重さでもなく、まさしく一財産といったところでしょうか。デリラはサムソンへの誘惑が終わってからは聖書に登場していません。また、彼女の容姿についても聖書は何も語っていないのです。絵画でも、映画でもデリラの描写は美しく描かれています。しかしサムソンはティムナにいる女と結婚するときに、女の父親に「あれの妹のほうが、あれよりきれいではありませんか(15:2)」と言われています。もし容姿が抜群でなければ、デリラが自分の生涯で頼ることができたのはお金だけだったのではないでしょうか?また、サムソンの態度にも問題がありました。遊女のところに通い(1)、一人の女に誠実を尽くすようにはデリラは考えなかったのだと思います。「こんな男だましてしまえ」…女に目のない男の末路は、女にだまされ、裏切られるのです。