勝手に神殿

士17:5「このミカという人は神の宮を持っていた。それで彼はエポデとテラフィムを作り、その息子のひとりを任命して、自分の祭司としていた」
ミカは母から財産を盗み(2)、母は息子が正直に盗みを告白してくれたから、盗まれた銀で偶像を作ろうと言い(4)、ミカは勝手に神の神殿を作り、その中でテラフィムや母親の作った偶像を置いていました。また、レビ人でもないのに息子のひとりを祭司としていました。どう考えても、まともなことが書かれていない17章の始まりです。その途中には「イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた(6)」とあり、神の律法はもちろん、神への礼拝も勝手な方法で行なっていたことがわかります。神のことば以外を正義とするならこうなってしまう、という典型的な例だと思います。イスラエルには聖書があり、モーセ5書の中には律法があったはずです。ミカはたまたま通りかかったレビ人を買収して「私は主が私をしあわせにしてくださることをいま知った。レビ人を私の祭司に得たから(13)」とうそぶいています。ミカはレビ人を手に入れたことで、自分勝手な礼拝のスタイルが完結したと勘違いしたのです。何かがそろったから完璧なのではなく、心のあり方が問題なのです。