ダン族の堕落

士18:31「こうして、神の宮がシロにあった間中、彼らはミカの造った彫像を自分たちのために立てた」
ダン族が終わりの時代に12部族から離れるのは黙示録にも書かれていますが(黙7章)、もともとはヤコブが12人の子供たちに世の終わりにどうなるかを告げたことの中にすでにダンに関する予兆がありました。その中に「ダンは、道のかたわらの蛇、小道のほとりのまむし(創49:17)」とあり、道にいて通りかかる人のかかとに噛み付くまむしだと告げられています。それは「彼のかかとに噛み付く(創3:15)」とへびに言われた主のことばと似ています。ダンが堕落するきっかけは割り当て地に対する不満で(1)、この時代に彼らが一度手にした偶像は捕囚のときまで拝み続けたようです(30)。それゆえアモスでは「ダンよ、あなたの神は生きている…(中略)…と言う者は倒れて、二度と起き上がれない(アモ8:14)」と預言され、ダンの偶像を拝む者たちへ警告されています。ダン族からはサムソンが立てられ、イスラエルを救ったことが記されていますし、サムソンの両親には神の使いが現れ、決してダン族が忘れさられていたわけではなかったようです(13章)。それでも18章に書かれている内容はほめられたものではありません。捕囚まで400年もの間、一度たりとも主に立ち返らなかったダン族の罪は重いのです。