知恵あるヘマンの歌

詩88:15「私は若いころから悩み、そして死にひんしています。私はあなたの恐ろしさに耐えてきて、心が乱れています」
この歌を作ったのはエズラフ人ヘマンだと最初にあります。ヘマンの名前は唯一列王記にあり、ソロモンの知恵がいかに優れていたかを比較する対象として、「エズラフ人エタンや、ヘマンや、カルコルや、マホルの子ダルダよりも知恵があった(1王4:31)」と書かれ、知恵ある者の一人でした。これらの4人は今で言う「天才」だったのかも知れません。ヘマンは「若いころから悩み」とあるように、賢いにもかかわらず若いときから心が開放されていなかったようです。現代でも天才と呼ばれる人たちはディスレクシア(失読症)という学習障害が多くいた、と言われています。エジソン、ダビンチ、アインシュタインなど有名な天才たちは、若いころに読み書きができず、アインシュタインにいたっては覚えることが苦手で落第生のレッテルを貼られていました。知恵や才能があるから恵まれた人生を歩めるとは限らないのです。知恵あるヘマンが悩みと苦しみの人生を主に訴えている様子は悲哀に満ちていますが、それでも主を待ち望む姿勢は聖書を読む人たちの心に何かを教えてくれているように思えます。