モーセ登場

詩90:10「私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです」
今まではおもにダビデダビデの家臣がダビデの幕屋で歌われた歌でしたが、ここに来てモーセの歌が編纂されています。イスラエル人がエジプトの地を出てからソロモンまで480年だと聖書にあり(1王6:1)、400年以上前のモーセの歌も詩篇の編集者は大切な神への賛美だと考えていたようです。この中で「健やかであっても80年」とモーセは言っていますが、モーセが主に召されアロンとともにパロの前に立ったのが80歳のときです(出7:7)。それから荒野をさまよって約束の地まで来るのに40年かかり、モーセは120歳で亡くなったと記されています(申32:7)。地上の誰よりも謙遜だったモーセは(民12:3)、死ぬときも目はかすまず、気力も衰えてはいませんでした(申32:7)。そんな長生きしたモーセでも時間はまたたく間に過ぎ去ったようです。「あなたの目には、千年も、きのうのように過ぎ去り(4)」はペテロの言う「千年は一日のよう(2ペテ3:8)」と同じです。「悩まされた日々と、私たちがわざわいに会った年々に応じて、私たちを楽しませてください(15)」とあるように、楽しむためには通らなければならない道を通るのが人生だとモーセは考えているようです。