買い戻しの権利

ルツ2:20「ナオミは嫁に言った。「生きている者にも、死んだ者にも、御恵みを惜しまれない主が、その方を祝福されますように。」それから、ナオミは彼女に言った。「その方は私たちの近親者で、しかも買い戻しの権利のある私たちの親類のひとりです」」
ボアズは4章に「私はあなたの次」とあるように、権利行使ができる順位第2位でした。買い戻しの権利は申命記に書かれており、土地を当事者に代わって買い戻してあげるだけでなく、死んだ兄弟(親類)の妻をめとりその第一子に兄弟の名を継がせなければなりません(申25:5-9)。そうするとボアズの名を継ぐのは第2子以降となり、エッサイはボアズとルツに産まれた2番目の子だと推測できます。また、土地はヨベルの年には持ち主に返されるので(レビ27:24)、ヨベルの年までの収穫の回数によって買い戻し金額が変わってきます。そういう意味においても、多額の金額を払ってもその金額に見合う得は何もなく、加えて他人の家名を継ぐ子供まで作ってあげることは、負担こそあれ自分にとっては損と思われることしかありません。ひょっとしたら買い戻し権利の第1位だった親類はボアズに説得されなくても、靴を脱ぎつばきしたかも知れません(申25:9)。ボアズがルツに一目ぼれしたという見方もありますが、個人的にはルツの信仰に主が目を留められボアズの心を動かしたと思いたいです。