お前の王位も…

1サム20:31「エッサイの子がこの地上に生きているかぎり、おまえも、おまえの王位も危うくなるのだ。今、人をやって、あれを私のところに連れて来い。あれは殺さなければならない」
サウルがヨナタンが後継者になる事に触れているのは一箇所だけです。いくらダビデが活躍したとしても立派な将軍にはなるかも知れませんが、王になるには預言者の油注ぎが必要です。すでにダビデがサムエルから油を注がれていますが(16:13)、果たしてサウルが知っていたかは疑問です。それはヨナタンとしても同じです。ダビデが王になるならヨナタンの立場は複雑なものになってしまいます。それでもヨナタンダビデを愛し、心から尊敬を持って接しているのがわかります(22)。さらにダビデヨナタンの妹ミカルと結婚し、義兄弟の関係にもありました(18:27)。民衆の心が王から離れる事をサウルは最も嫌がり、サウルはダビデに嫉妬したのです(18:8)。特に「彼にないのは王位だけだ(18:8)」という民衆の声はサウルが狂う引き金となりました。ダビデのことを考えると、ヨナタンにさえ槍を投げつける有様です(33)。サウルは権威ある立場の魅了され、王を守る事に固執したのです。へりくだりを勧める神の声は届きませんでした。