マタ16:18「ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません」
岩はギリシャ語で「ペトラ」で、ヨルダンにあるエドム人が住んだと言われる「ペトラ遺跡」とおなじ単語です。一方ペテロの名前は「ペトロス」は岩というよりも石という意味で、ちょっと雰囲気が違っています。イエス様は「あなたはもうペトロス（小石）ではなく、ペトラ（岩）だ」と言われているのです。イエス様が「岩」にいて語っている箇所は2箇所だけです。１つはこの16章で、もう１つは御言葉を聞いて行なう人たちのたとえで(7:24、ルカ6:48)、「岩の上に自分の家を建てた賢い人(7:24)」とあります。神が建てる自分の家とは「教会」のことで、ここでペテロの話したことと一致します。カトリックはペテロを創始者とし、初代の教皇だと主張しています。確かにエルサレム教会ではリーダー的な立場のペテロでしたが(使3章など)、果たしてペテロは自分が岩だと言われてすぐその通りになったのでしょうか。それよりも「イエス様のことばを聞いてそれを行なう人」の模範になるようにペテロを促しているように思えます。なぜならこの直後にイエス様から「さがれ、サタン(23)」と言われ、イエス様逮捕にも逃げ出し、祭司の庭では3回主を否定しており、とても御言葉を守る岩には見えないからです。しかし、聖霊がくだってきたときペテロは変えられ、岩のような信仰を持つことができたのです(使2章)。
