みな利得をむさぼり

エレ6:13「なぜなら、身分の低い者から高い者まで、みな利得をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、みな偽りを行なっているからだ」
預言者や祭司といえども人の子には違いありません。誰もが欲を持ち、できれば何不自由のない人生を送りたいものです。特に預言者と呼ばれる人は大勢いました。彼らにはレビ族のような明確な境界はなく、王宮にはインチキ預言者も多くいたようです。それは王が望むようなことばを主が言われたことにして、王のご機嫌を伺うもので、決して本当に主からのことばではありませんでした。「利得をむさぼり」の「むさぼり」はヘブル語で「batsa'(バトサ)」が使われており、もともとの意味は「切り離す」とか「やめさせる」という意味で、力ずくで利益を得るような意味も含まれています。つまりイスラエルの民がお互いに愛し合う関係ではなく、自分さえ利益を得ればよいという考えに支配されていたことがわかります。この状況はノアの時代によく似ています。聖書には「心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾く(創6:5)」とあり、エレミヤの指摘したイスラエルの状態にそっくりです。相手を気遣わないようになったら、堕落の始まりです。相手が見えず、自分だけにベクトルが向くようなら主も見えなくなってしまいます。