欄干から落ちて

2王1:14「ご承知のように、天から火が下って来て、先のふたりの五十人隊の長と、彼らの部下五十人ずつとを、焼き尽くしてしまいました。今、私のいのちはお助けください」
アハズヤは「屋上の部屋の欄干から落ちて(2)」病気になったとありますので、単純に考えても腰を強く打ったりした傷を負ったようにも思えます。また「寝台から降りることはない(4)」ということからも、ベッドから寝起きをするのも困難な状態にあったと言えます。高所からの落下は打ち所が悪ければ、骨折や脊髄損傷などの重症になり、ときには高熱などを伴う症状が現れます。ベッドから起きれないアハズヤ王はこのまま死んでしまうのかを心配しました。王はエリヤを連行してまでも、主からの良いことばを聞きたかったのだと思います。しかし、エリヤの答えは「エクロンの神、バアル・ゼブブに伺いを立て(3)」たため、その病気は治らず死ぬ、というものでした。「必ず死ぬ」は創世記で神がアダムとエバに言われたあのことばです(創2:17)。欄干から落ちたことが原因ではなく、他の神を拝んだことがアハズヤが死ぬ原因です。エリヤといえば「天から火」が代名詞のようになりましたが、その火が50人の兵を焼き尽くします。エリヤを山から降ろし、力ずくでも「死なない」と言わせようとしたアハズヤに主の憐れみは残っていませんでした。