この谷にみぞを掘れ

2王3:16「彼は次のように言った。「主はこう仰せられる。『この谷にみぞを掘れ。みぞを掘れ」
原文では「みぞを掘れ。みぞを掘れ」と繰り返しにはなっていません。「みぞ」はヘブル語で「gave(ゲイブ)」となり、英語では「trench(NIV)」「ditches(KJV)」などが使われています。新共同訳は「この涸れ谷に次々と堀を造りなさい」とあり、口語訳「わたしはこの谷を水たまりで満たそう」となっており、口語訳が英語訳に近い表現になっています。このみぞには「風も見ず、大雨も見ないのに(17)」水が満たされ、やがて動物たちが水を飲むようになると預言されていますが、実は水を赤く光らせることによって、モアブが血と勘違いし、イスラエルで同士討ちが起きたことを暗示させるためのものでした(22-23)。水のないところに大きな豪を掘らせ雨も風もないのに、そこを水で満たすのは私たちの目には不思議であっても、主の目には小さいことに過ぎません(18)。風も雨も降らないのに主からの言葉を信じて深いみぞを掘るのには勇気が要ります。それは主のことばが地に落ちないことの証明であり、ことばを信じる人を見ることにより、未信者の人たちが神の存在を知ることができるようになります。それは神の知恵によるものです。