3回でやめた

2王13:18「ついでエリシャは、「矢を取りなさい」と言った。彼が取ると、エリシャはイスラエルの王に、「それで地面を打ちなさい」と言った。すると彼は三回打ったが、それでやめた」
この時代イスラエルとユダには同名の王がいてちょっと混乱してしまいます。ユダ国5代目王とイスラエル9代目王が同じヨラム、ユダ6代目王とイスラエル8代目王が同じアハズヤ、またユダ8代目とイスラエル12代目王が同じヨアシュです。しかもこれらの王は近い時期に生まれており、13章でもユダとイスラエルの王ヨアシュの時代が重なっているため、わざわざ「イスラエルの王ヨアシュ(14)」と書いています。基本的にイスラエルの王たちは初代ヤロブアムが作った高きところを取り除かず、偶像崇拝を続けました(11など)。それでもエリヤとエリシャにはまことの主の力が宿っていると考えたヨアシュは死の病のエリシャのもとにやってきます(14)。エリシャにはエリヤの2倍の主の霊が宿っており(2:9)、彼に良い預言をしてもらうならヨアシュも安心だと思ったのでしょう。しかし、エリシャはヨアシュに地面を打つ回数を指定しませんでした。エリシャのことばによるのではなく、ヨアシュ自らの行動が自分の運命を決めてしまったのです。それはアブラハムの契約によって、完全に滅ぼすことを望まれなかった主の憐れみによるものです(23)。