腰に筆入れをつけた男

エゼ9:3「そのとき、ケルブの上にあったイスラエルの神の栄光が、ケルブから立ち上り、神殿の敷居へ向かった。それから、腰に書記の筆入れをつけ、亜麻布の衣を着ている者を呼び寄せて」
一般に6人の男(2)は天使だと言われていますが、原文では「'iysh(イーシュ)」が使われており聖書で最もポピュラーな「男」を指す名詞です。もう1人書記の風体をした男が亜麻布の衣を着て6人の中にいて(2)、彼だけ別の役割があるようです。なぜなら主が命じるときにこの書記風の男に命じ、またことが終わったときに主に報告しているのはこの男だからです(11)。さらにこの男の腰につけている筆は「この町で行なわれているすべての忌みきらうべきことのために嘆き、悲しんでいる人々の額にしるし(4)」をつけることに使われ、武器を手にした6人を導く働きをしています。なによりも過越しのときに家にしるしをつけた話を思い起こさせる出来事で、エルサレムに残った人たちの中にも偶像崇拝を嘆き、悲しむ者たちがいたことがわかります。ソドムとゴモラからロトたちを救い出したように劣悪な環境の中でも主を求める者たちをないがしろにせず、必ず主の配慮が働いています。本来ならば捕囚になった者たちと一緒にバビロンに行かなければ、彼らは疫病で死ぬかバビロンの兵に殺されるだけです。そんなどうしようもない環境でさえ、主は心を向けられられ守られておられるのです。