ダビデの名声は全地に

1歴14:17「こうしてダビデの名声はあまねく全治に及んだ。主はすべての国々に彼に対する恐怖を起こされた」
「こうして」と言われても、書かれているのはペリシテ人との戦いが書かれてあるだけです。サムエル記には多くの戦いがあり、ダビデがバテ・シェバと出会ったのも近隣国との戦いの真っ最中でした(2サム11:1)。アモン人(2サム10章)やエドム人(2サム8:14)などとの戦いもありましたが、歴代誌でははしょられています。また次の15章でも、ウザの割り込みによって契約の箱がひっくり返りそうになったことも飛ばされており、いきなりレビ人が担ぐ正式な方法をとったような印象を与えています(15:2)。おそらく、歴代誌のほうがサムエル記や列王記よりも新しく書かれ(一説によればサムエル記、列王記は紀元前960年頃、歴代誌は紀元前450年前後)、有名な逸話などは周知の事実としてとらえていたのではないでしょうか?ここでの「こうして」は、サムエル記に書かれている近隣諸国との戦いは、既成事実として認知され、ダビデと戦っても勝てないと知らしめた代表的な戦いとして、ペリシテとバアル・ベラツィムで戦ったのを挙げているのだと思います。とにかくこの戦いを境に近隣諸国の腰が引け、思い切ってイスラエルを攻撃しようとはせず、それは主の働きだったと思います。